直接の原因は、低温でした。
露地栽培の出荷より早く出荷する目的でハウスで栽培しているわけですから当然早く種まきをしたわけで、当然低温に遭遇する頻度は多くなりますからハウス内にトンネルをして二重に保温することで対策は立てていたのです。
それでも結果として発生した訳です。
まず、スイートコーンの栽培で5〜8葉期が、花芽分化と幼穂形成期に当り、この時期が一番大事な時期に当り、低温で一昨日のような実入りの悪い穂や副穂が多く発生するそうです。副穂については品種間差があります。
ただ、低温でも絶対的な低温と相対的な低温の考え方をよく理解していなかったことに今回の反省があるようです。
例えば、人間でも普段から薄着で過ごして皮膚を寒さに慣らしている人といつも厚着をしている人では同じ温度でも寒さに対する感じ方が違うようにスイートコーンでもハウス内の温度を高めに管理した場合と低めに管理した場合とでは同じ低温の日が訪れた時の低温への感受性が違うつまり低温障害を受けやすいか受けにくいかが違ってきます。
おまけに、1月〜2月は平年よりも暖かく推移し3月になって急に寒い日が何回かありました。
今回は、丁度5〜8葉期寒かった日に重なっていたようです。
よって、5〜8葉期(播種後1ヶ月〜1ヶ月半)まではあまり暖めすぎないような温度管理が出来るようにハウスの換気をしてその後は、日中30〜32℃を上限の温度管理をすれば良い。
あと発芽日数を7日〜10日にすることがベストでこれよりも早く発芽させることはあまり良くないそうです。
ただ、スイートコーンはイネ科植物で積算温度が出穂、収穫に大きく影響しますから温度を低めに管理すると収穫が遅れるので播種時期を今までよりも早くする必要があります。
ところでスイートコーンを含めとうもろこしにはキセニアと言って受粉時に他の品種の花粉と受精すると受精した粒(種子)の性質が本来の品種と全く異なってしまう現象が知られています。
例えば、スイートコーンの近くに飼料用のデントコーンを植えるとスイートコーンが甘くなかったとか、白と黄色の混ざったバイカラーのスイートコーンと黄色のスイートコーンを植えたらバイカラーの白色の比率が極端に少なくなった(遺伝的に表現型が黄色が優性で白色が劣性のため)とか
今回は黄色の品種だったにもかかわらず、写真のようなバイカラーが発生しました。
これは、突然変異でアルビノ(色素の欠落)だそうです。
一瞬バイカラーコーンのようですが、この場合バイカラーコーンは普通なら出来ないはずなのです。
初めて見ました。
左が本来の品種で真ん中と右がアルビノが発生したもの