平成30年からオリジナルの農事暦作り始めて7年目になります。
一部ではありますが、トマト栽培農家さんや生産法人の一部の方にはよく理解してもらいお役に立てているようです。
持論ではありますが、そこで今一度農事暦の解説をしたいと思います。
きっかけは、農薬散布のタイミングに新月の頃と満月の頃を目安にカレンダーに印をつけて一部の農家さんに渡したところ、お茶栽培農家さんから農薬の効果が良くなったとの話から色々調べ始めました。
中でも『月と農業』という本の中で、南米のインディオの栽培管理について大変興味を持ち今に至っています。
今では農業を始めるにあたり、いつ薬剤散布をしたらいいか?、いつ追肥をしたらいいか?、いつ収穫したら長く貯蔵できるか?などの目安になればと思い、初心者でも60点はとれる栽培管理、あとはよく観察して70点、80点とより良いものが生産できる目当てになればと思っています。
これも持論ですが、最初の生物が発生した時よりもはるか昔から地球と月の間では引力が存在していました。全ての生物はこの引力の影響下の中で進化しながら現在に至っています。
そこで月の満ち欠けに注目すると必然的に潮の動きに着目しました。
植物はおおむね次のような生育パターンで生長していきます。
小潮から大潮に向かう時期が細胞の分裂が盛んな時期、大潮から小潮に向かう時期が細胞を伸長させる時期です。
新月から満月、満月から次の新月迄が旧暦の1ヶ月になります。
新月の頃と満月の頃が大潮になるので、新月からの潮の動きは、大潮から小潮と小潮から大潮で満月の頃となり、次の大潮小潮と小潮から大潮で新月の頃となります。つまり、細胞が伸長する時期、細胞の分列が盛んな時期が、旧暦の1ヶ月にそれぞれ2回あることになります。
そこで細胞が伸長する時期を伸長期、細胞の分裂が盛んな時期を充実期と呼び、伸長期の中潮の頃に一般のN、P、Kの液肥散布、充実期には細胞壁の主成分のペクチン酸カルシウムが順調に生成されなければならないので、この時期に微量要素、特にカルシウムを適宜与えることはカルシウム欠乏を予防することになります。充実期の中潮の頃にカルシウム主体の微量要素剤を散布します。
最後に植物内の水分の動きについて説明します。
何十年も前のことですが、年配の方から『闇夜の木を切れ」と教わったことがあり、その時は意味がよくわからなかったのですが、『植物内の水分の動きと生育のリズム』を見ると新月の頃が余分な水分が地下部にたまります。つまり、この場合の闇夜とは新月の頃で、地上部に余分な水がないのでこのタイミングで木を切ると乾燥しやすく虫も付きにくいのだつ理解しました。
新月から満月に向かうにつれて次第に地上部に水分が移動し満月の頃が最大になり、そして満月から新月に向かうにつれて次第に地下部に水分が移動し、これらを絶えず繰り返しています。
そこで見方を変えると新月の頃は地下部に水分が多くありますからダイコン、ニンジンなどの根菜類やジャガイモ、サツマイモなどは重量が乗り、地上部は余分な水分ないのでカボチャやキャベツ、かんきつ類など一時貯蔵するものは貯蔵中の腐敗が軽減されます。また、満月の頃は地上部に水分が多くありますから果菜類や葉菜類は重量が乗り、一方地下部には余分な水分がないので、すぐに出荷しないサツマイモやジャガイモなどは貯蔵中の腐敗が軽減されます。
実際は、収穫時期と植物内の水分のタイミングがぴったり合わせての収穫はなかなか難しいかもしれませんが、一時貯蔵が必要なものや種芋として貯蔵するものは歩留まりを考慮すると有効だと思います。
posted by きりしまのタネヤ at 19:24| 鹿児島 ☁|
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